こんにちは、青木です。
今回は、無駄な駒はいないというテーマです。
さて、よく初心者の方からの質問に、
どの駒が一番強いですか?
というものがあります。
その質問に対する答えは、
飛車か角と答えさせていただいています。
しかし、それも場合によります。
飛車、角がたとえ1000枚あっても詰まないのに、
桂馬1枚で詰む局面もあるからです。
(例えば下の図ですね。
この形は飛車や角が1000枚あっても詰みませんが、
赤丸の位置に桂馬を打つと詰んでしまいます。)

ただ、一般論としては、
飛車か角というのが普通なところだと思います。
さて、そして次に多い質問が、
香車とか桂馬って最後まで最初の位置にいることが多くて、
使わないことが多いから無駄じゃないですか?
という質問です。
ちょっと将棋を習った方ならば、
香車と桂馬の価値を体感的にわかっていますが、
初めたばかりの方や見る専門の方にはなかなか
その存在意義がわからないのです。
そこで少し具体的な局面を交えて、
無駄な駒なんていないんだよということを
説明していきたいと思います。
例えば、歩がいない将棋ならどうなるでしょうか?
(青空将棋と言って、歩のない将棋もあります。)
この図のような将棋ですね。

普通は水色の線のところに歩がいるのですが、
歩がもしも居ないのだとしたら、
先手はいきなり香車を得することができますね。
後手はちょっと不利になってしまいます。
つまり、歩がいることで自分の駒が守られている
というわけなんですね。
次にもしも、香車や桂馬がいなかったらどうでしょう。
すぐにはわからないと思うので、
具体的な局面で考えてみましょう。
おなじ局面で桂馬と香車だけ抜いた形を考えると、
すごくわかりやすいと思いますが、
いるだけで守りにもなるし、
攻めにもなるわけですね。


下の図は盤面に隙間ができていて、
スカスカでなんかもろい感じがしますよね。
隙間がある=駒を打ち込めるということなので、
それだけ技がかかりやすくもなってしまいます。
このように将棋では、
動いていないのにそこにいるだけで役に立つ駒
というものがあります。
そして、これはビジネスでも全く同じなのですね。
例えば、組織やチームでも全くおなじことが言えます。
コンサルの事例などでよくあるケースに、
チームや組織を効率化しようとして、
あまり役に立っていないように思える人を配置換えしたところ、
返ってビジネスがうまくいかなくなったというケースがあります。
よくパレートの法則や2:8の法則と言われるように、
ビジネスの成果を100とすると2割の人が8割の成果を出して、
8割の人が2割の成果を出していると言われています。
そして、それは正しいのですが、
じゃあ、8割の人を除いて結果を出している2割だけを残したら、
効率的になるかというとそうでもないのです。
実は成果を出していない8割にも役割があるのです。
それは場を和ませる役割だったり、
淀んだ空気を変えてくれる役割だったりです。
そういう数字に表れない役割を軽視してしまい、
結果、うまくいかなくなってしまうのです。
先ほどの、歩や桂馬や香車と同じですね。
成果だけで言えば飛車や角のが圧倒的に成果を出しているし、
王様を詰ますときは金、銀を使うことが圧倒的に多いです。
でも、一見、役に立っていないようでも、
実は隠れた役割を担っているなんてことは
本当によくあることなのです。
将棋にもある局面において、
働きの悪い駒というものが存在します。
しかし、すべての局面で無駄な駒はいないのです。
そして、それは現実の世界でもおなじことで、
ある場面では役に立たない人はいるかもしれません。
しかし、すべての場面で役に立たない人はいないのです。
まさしく適材適所。
無駄な駒が無いように、無駄な人はいない。
その前提を持った上で働きを考えて、
配置していかないと将棋もビジネスも
うまくいかないのです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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